第16回えちごくびき野100kmマラソンthe FINAL(3)前半戦

午前5時、いよいよスタートの砲声が響きました。

まずは、自分の30分前にスタートしたAブロックのランナーたちに少しずつ追いつき、メンタル的な余裕を得ることが最初の目標です。

今回のレース戦略は「前半でタイムの貯金をつくる」こと。
コース全体を見ると、スタートから20km地点までが比較的に平坦、55km付近までが山場となる峠道、そして後半が再び平坦となっています。ただ、後半の平坦区間に入ったときにどれだけ脚が残っているかは不透明です。だからこそ、脚が元気で走りやすい前半の平坦区間のうちに、無理のない範囲でバッファ(時間的な余裕)を作っておく作戦でいくことにしました。

スタート直後の周囲はまだ暗闇に包まれていましたが、コースの要所や危険になりそうなポイントには大型の照明が用意されており、安全に走ることができました。序盤は大きな集団の中で走るため、コースロストの心配もありません。

当初は「6分30秒/km」のペースを想定していましたが、周りの引っ張りに乗る形で自然と「6分15秒/km」ペースに。
「ここで少し時間を稼いでおきたい」という思いもあり、苦しくならない範囲であればこのペースを維持することにしました。今回はスピードの数値よりも「心拍数」を強く意識。心拍数が130台に収まっていれば良しとし、140を超えたら即座にペースを落とすというルールで刻んでいきます。

5時30分を過ぎる頃、周囲の景色が少しずつ白み始めてきました。
広がっていく田園風景の向こうに、山の美しい稜線がくっきりと浮かび上がってきます。朝の澄んだ空気の中で見るそのグラデーションは、息をのむほど綺麗でした。心拍数も安定しており、順調に距離を消化していきます。

 

1時間が経過し、午前6時。すっかりあたりは明るくなりました。
前日にバイクで下見したのと同じ景色のはずなのに、自分の足で走りながら眺める朝の風景は、昨日とは比べものにならないほど鮮やかで魅力的に映ります。

10kmを過ぎると、コースには少しずつ緩やかな起伏が現れ始めました。
ここでは無理をせず、予定通りペースを少し落として「6分30秒/km」をキープ。まだ早朝の涼しい空気に包まれており、非常に心地よいリズムで距離を重ねていきます。

しかし、20kmを過ぎて徐々に本格的な上り坂が現れ始めた頃、想定外のトラブルが発生しました。
脚自体はまだまだ元気そのものなのですが、なぜか右の腰にじわじわと痛みが走り始めたのです。普段から付き合っている左膝ならまだしも、腰の痛みは久しぶりのこと。酷くなる前に、持参していたロキソニンを1錠投入して痛みを抑えにかかります。

【31.7km地点:第1関門(B&G海洋センター)】
無事に第1関門へ到着。ここで思わぬ助けがありました。
エイドで袋に入った「残雪」を配ってくれていたのです。これは本当にありがたかった!

装着していたYURENIKUIのウエストポーチにその雪袋を結びつけ、ちょうど痛む右腰のあたりに当たるようにセット。すると驚いたことに、冷たすぎることもなく、腰の痛みが嘘のようにスッと引いていきました。まさに最高のアイシング対策です。

第1関門の通過タイムは、制限時間に対して1時間以上のリード。ここまでは理想的なハイペースで来られています。

第1関門を過ぎると、いよいよ今大会最初の本格的な峠道(約4kmの上り区間)へ突入します。


徐々に脚にも疲労が溜まってきていたため、ここは無理に走らず「歩き(パワーウォーク)」に切り替え。一歩一歩力強く踏みだし、9分/kmを切るスピードを意識してガシガシ上っていきます。標高が上がるにつれて周囲の景色もひらけ、絶景が広がっていきました。

 

上りきったら、次はお待ちかねの下り区間です。
上りで歩いた分の時間ロスを取り戻すため、グラビティを利用して「6分/km」の快走ペースで一気に駆け下りていきます。

上りと下りの緩急をしっかり意識しながらメリハリをつけて走り抜け、無事に第2関門(39.3km地点)へと滑り込みました。

 

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